潜在保育士の働き方とは?

潜在保育士の復職が求められる時代

現在、保育士が不足しているといわれています。
保育園が増えないのも、保育士さんの不足がネックになっており、保育士確保が大きな課題となっています。

ところで、潜在保育士という言葉を耳にされたことがあるでしょうか?
潜在保育士とは保育士の資格を持ちながら、保育士として働いていない人のことをいいます。
2015年に厚生労働省が公表した資料によると、潜在保育士の数は70万人以上といわれており、その割合は保育士の有資格者の64%となっています。
つまり、保育士の資格を持つ半数以上の人が、保育士として働いていないわけです。

潜在保育士さんがこれほど多いのは、結婚や出産といた、家事・育児との両立が難しい職場が多いことがあげられます。

また保育士の賃金は、労働料に比べて低いともいわれています。
このため、保育士資格をもちながら、他職種で働いている人もいます。

しかし、潜在保育士さんが復帰すれば、待機児童問題や保育園不足の解消に大いに役立つことは間違いありません。
なぜなら、子育ての経験や他職種で働いた経験がある人の方が、新卒の保育士よりも保護者とのコミュニケーションがスムーズにいきやすいからです。
また、他職種での実務経験がある人は、パソコンなど事務作業に慣れているので作業効率が良い、他の職種の経験があるので、他の職員に良い刺激を与えられるというのも理由の一つといえるでしょう。

さらに潜在保育士さんには、保育の仕事に復帰したいと強く希望する人が多く、高いモチベーションを維持できるというメリットもあります。
このほかにも、新卒保育士に比べて社会人経験があるので、何事にも柔軟に対応でき、判断も行動も素早くできる人が多いのです。
潜在保育士は今、保育園から求められている人材といえるでしょう。

ブランクがあるから不安ですか?

しかし、結婚や育児など何らかの理由で一度退職したけれど、もう一度職場復帰したいと願っている潜在保育士の多くが、職場復帰に二の足を踏んでいます。
それは、職場復帰をするにあたって、さまざまな不安を抱えているからです。

長らく職場を離れていたので、きちんとした保育ができるか自信がないという人も多いですし、学生時代や職場で学んだことを忘れてしまっているという不安も抱えています。
また、他職種で働いてきて、保育士としての実績がない人は、実際に保育ができるのかと強い不安を感じていることでしょう。

ブランクの不安を解消する方法

しかし現在、潜在保育士さんのニーズが高まっており、職場復帰しやすい環境を整えている保育園が増えています。

潜在保育士さんが職場を選ぶ際は、次のポイントをチェックしましょう。

まず、研修制度が設けられており、その後のフォローアップ研修も充実している職場かどうか。
ブランクがあるのに、いきなり現場に放り込まれると、とまどってしまいます。
まず研修で、実技などについて学びなおし、それから現場で働ける職場を選びましょう。
あるいは、いきなり現場で働くにしても、マンツーマンで指導してくれる保育士を付けてくれる職場など、潜在保育士さんの職場復帰に協力的な職場がおすすめです。

次に、国が定めた保育士配置基準数を満たしている職場かどうか、チェックしましょう。
人手不足の職場では、誰もが忙しく自分のことで手一杯です。
このため、わからないことがあっても、気軽に尋ねられる雰囲気ではない職場が多いのです。
ある程度職員数に余裕がある職場の方が、復帰しやすいでしょう。

また、子育て中の保育士さんの場合は、託児所があるなど、子育て支援のある職場をさがしてみてはいかがでしょうか。

ブランクがあっても、その期間に経験した事柄は、その人にとって、貴重な財産です。
思い切って、職場復帰にチャレンジしてみませんか?