怒っても意味がないのはなぜ?
保育園で子どもたちと楽しく遊んでいるだけでは、保育士とはいえません。
子どもたちが間違った行動をしたり、危険な行動をしたりしたときに、しっかりと注意して、なぜダメなのかを説明し、物事のよしあしを伝えるのも重要な役割です。
しかし子どもたちは、大人の思うようには動いてくれませんし、大人が思わないような行動をとることも少なくありません。
保育園のカリキュラムは時間によって決まっていますから、時間がないときに子どもたちが言うことを聞かないと、イライラしてつい感情的に怒ってしまうこともあると思います。
しかし悪いこと、危険なさことをしたときに怒っても、子どもたちにはなぜそれが悪いことなのか、危険なことなのか伝わりません。
怒るという行為は、感情の爆発です。
自分の怒りを相手にぶつけることです。
子どもたちは、先生の感情にはとても敏感です。
先生が怒っていると、子どもたちにもその気持が伝わり、おびえてしまうのです。
おびえてしまうと、子どもたちは心を閉ざしてしまいます。
怒ってしまうと、○○してはダメといってるでしょ!とか、どうして言うことが聞けないの?!などと、子どもの行いを否定する言葉が出て、相手を責める形になります。
その結果、先生が怒るからやめておこうと思いますが、なぜ悪いのか? なぜキケンなのかがわからないままなので、根本的な解決になりません。
その結果、同じ過ちを繰り返すことになるのです。
これでは保育士も疲れてしまいますし、子どもたちの精神衛生にもよくありませんね。
また、怒られていることを、自分に注意を向けていると感じる子どもも少なくありません。
その結果、先生にかまってほしくて、わざと怒られる行動をとるようになるケースもあります。
つまり、怒ることは悪い結果をもたらすことはあっても、良い結果をもたらすことはないのです。
怒るのではなく叱ることが大切
子どもたちが悪いことやキケンなことをしたときは、怒るのではなく叱ることが大切です。
怒るのは相手に感情をぶつける行為です。
叱るのは、保育士が自分の気持や考えを冷静に伝える行為です。
なぜ、その行為がダメなのか、その行為をすることでまわりのお友達や保育士がどのように感じるのかを伝え、どうしてほしいのかを説明するのが叱るという行為です。
このときには子どもに目線をあわせて、目を見つめながら、ゆったりと話しかけましょう。
感情をぶつけるのではなく、気持ちを伝える。
この姿勢を貫くことで、子どもは先生のお話を聞かなければいけないことを理解します。
そして、心と耳を開いて、先生の言うことをしっかりと聞こうとしてくれるのです。
その結果、なぜその行為がいけないことなのか、危ないことなのかを子どもなりに理解できるようになり、次から同じ失敗を繰り返しにくくなります。
思わず怒りたくなることもあるでしょうが、叱るという方向に気持ちを入れ替えることが大切です。